言語のリハビリの先生とお話をした時に初めて、彼が失語症だという事を聞いた。

自分で高次脳機能障害については調べていたし、失語症はその中の1つって事も知っていた。
でも、私は勝手な判断で、「彼には記憶障害・注意障害が最も当てはまる。」と、この2つの障害の事ばかりネットや本で熱心に調べていた。

そして、私の中では、失語症＝単純に言葉が話せない、とか、口ごもる、とか、そういうイメージだった。

　
たまにつっかえる、物や人の名前が出てこないけど、ペラペラと話が出来る彼は、失語症ではない、と思い込んでしまっていた。

今日の八重洲での診療は、まさに偶然の一致とも思える1日でした。
本日の診療を振り返りますね。
今日の僕が担当した全ての方の経過ですので長くなりますがお付き合いください。

18歳男性　来院時診断　統合失調症
自殺未遂を繰り返していて、初診時には飛び降りによって受傷した骨折
の治療で装具を付けていたほど・・・
検査データの問題からの栄養アプローチで表情が豊かになっていた。
本日は、3ヶ月ぶりの再来
『バイト始めました。今は週2日で午後2〜5時にスーパーのお惣菜コーナーです』
『楽しいです。お給料も郵便局の口座へ振り込まれます』
『お母さんが、冗談っぽく半分頂戴って言います』

このところの外来は、お母さんも安心したのか、本人一人で来ていたのですが
今日のバイトには驚きました。

19歳女性　来院時診断　統合失調症
強い不安感などが衝動的に襲う。その時にはどうしようも無く、リストカットを
繰り返してしまう。身体が異常に疲れている。学校へ行くと身体が固まってしまう。
本日は、2ヶ月ぶりの外来でした。
『学校は、退学しました。』（さっぱりとした雰囲気で）
『身体がとてもしっかりしました』
『バイトは楽しく出来ています』
『まだ強い不安が襲うこともありますが、頻度が少ないです』

お父様の作ったメモでは、2月は1回だけのリストカットで済んでいました。
表情もとても明るくなりこちらばビックリです。

30歳代女性　来院時診断　統合失調症
身の回りの全ての人が自分を落としいれようとしている。そのために外出ができず、
ゴミを出すことすら出来ない。家でも不安が強く、子供以外の人が皆おかしくなった。
今日は4回目の血液検査の結果をお話するときでした。丁度治療を始めて1年です。